ジムで出来る!ジャンプ力トレーニングをスポーツトレーナーが解説!

アスリート向け トレーニング

スポーツ選手によく聞かれる「ジャンプ力を向上させるには何の筋トレをしたらいいですか?」「ジャンプ力は筋肉量が重要なの?」さて、ジャンプ力を向上させるには何のトレーニングすれば良いのでしょうか。結論から言うと、ジャンプ力を向上させるには数種類のトレニングがあります。”最大筋力向上”を狙った筋力トレーニングや”ばね機能の向上”を狙ったプライオメトリクストレーニングなどなど。今回は全てを紹介することはできないので、ジムで出来るダンベルや、おもりを使ったジャンプ力トレーニングを紹介させていただきます。トレーニングだけ知りたいと言う方はトレーニングだけを見てもらって構わないですし、ジャンプ力が向上する理屈を知ったうえで、トレーニングを行いたい方は上から順に読んでいくことをお勧めします!

この記事を書いた人 モリキン

<資格・履歴>

・NSCA CPT(アメリカトレーナー資格)

・サッカー・ラグビー・野球・テニス・スポーツジムにてトレーナー活動

普段は論文と参考書に埋もれてます📚

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ジャンプを物理で考える-バイオメカニクス-

ジャンプというのは、立ち幅跳びや垂直飛び、棒高跳びなど様々なものが存在します。今回は、垂直飛びに焦点を当てて解説していきます。

垂直飛びというのは、ジャンプをする際の足が離れる瞬間の速度で決定します。

そしてこの速度というのは、“力積”というもので決まってきます。

力積というのは、どのくらいの時間、どのくらいの力を加えたかということです。

つまり、ジャンプ力は足が離れるまで、加えた力の大きさと時間で決まってくるということです。

この力積は運動量の変化と表すことが出来ます。

at=V1ーV2ということなので、”a”「加速度」が向上すれば、速度は変化するということです。

この跳躍動作においての「加速度」とは何を表すのか。それは力を加える能力のことを表します。力を入れ始め、足が床から離れる瞬間までに、どれだけ力を加えることが出来るかということです。

=ジャンプ力は足が離れるまで、加えた力の大きさと時間で決まってくるということに繋がります。

ジャンプで重要になる”力速度関係”

ジャンプは足が離れるまでどれだけ力を加えることが出来るかが重要なら、「筋トレをして、最大筋力だけ鍛えれば良いのではないか」と思いがちですが、決してそうではありません。

筋肉には力-速度関係というものが存在します。

筋肉は速い動作だと力が発揮しづらく、動作が遅いと力は発揮しやすいのです。これは、想像していただけるとわかりやすいのですが、重いものを持ち上げる時、ゆっくりの動作になりますよね。この時、ゆっくりだけど大きな力を発揮している状態になります。この重いものを素早く持ち上げることは不可能ですよね。逆に、軽いものだと素早く持ち上げることが出来ます。

このように、大きい力はゆっくりでないと発揮できず、小さい力は速い動作で発揮できるのです。重いものを軽いものを持ち上げたように早く持ち上げられる方はいませんよね。もし出来たらその物は軽いです。

このような力と速度の関係を力-速度曲線というもので表すことが出来ます。

この力-速度曲線は人それぞれタイプがあり、最大筋力が大きかったり、小さかったり、動作速度が速い中での力発揮が長けている、苦手であるという要因で、曲線の傾きは変わっていきます。

みなさんここでジャンプの動作を思い浮かべてください。膝を曲げ、足を伸ばして跳ぶこの流れは、足を伸ばしていくほど速度は向上していきます。

=ジャンプ動作中の発揮できる力の大きさは、どんどん小さくなっていくのです。

つまり、ジャンプで重要なことは2つ。

最初の発揮できる力の大きさと、速度が速くなっても力を発揮し続けられるかです。

ジャンプ力トレーニング概論

「最初の発揮できる力の大きさ」「速度が速くなっても力を発揮し続けられる」この2つはただ筋トレをして向上させられるわけではありません。では、どのようなトレーニングを行っていけば良いのか。

<最初の発揮できる力の大きさを向上させる>

最初に発揮できる力の大きさを向上させるには、最大筋力を鍛えた方が良いです。この最大筋力というのは、一般的な筋肉を大きくするトレーニングではなく、自分の筋肉が出せる最大限の力の大きさを上げるトレーニングになります。最大筋力向上トレーニングを行うと、初心者であれば「力の立ち上がり速度」というものが向上し、早く大きな力を出せるようになります。また、自分の出せる力も大きくなるので、理論上最初から大きい力が出せるようになります。

<速度が速くなっても力を発揮し続けられるようになる>

筋肉の構造上、どんなにトレーニングをしても、速度が速くなると出せる力の大きさは、低下していきます。しかし、速度の向上に伴った力の出力低下率を抑えることはできます。力の低下率を抑えると、足が離れるまでの加える力の合計量が大きくなり、力積が大きくなります。=足が離れる時の速度が向上し、ジャンプ力が向上します。実際にどのようなトレーニングを行うかというと、できる限り早く動かすトレーニングを行います。

簡単なトレーニングの詳細を解説しましたので、実際どういうトレーニングがあるか紹介させていただきます。

ジャンプ力トレーニング 2選

ここからはトレーニングの紹介です。

 最大筋力トレーニング カーフレイズ

➀肩にバーを担ぎ、2~5センチほどの段につま先を乗せます

②そのままつま先立ちになります6~8回繰り返す

※6~8回が限界の重さで行うようにし、膝が曲がらないようにしましょう。

最大速度トレーニング カーフレイズ パワートレーニング

➀上のカーフレイズで扱ったおもりに0.7をかけて、それに近いおもりの重さをセッティングしましょう。

②できるだけ早い速度でつま先立ちになり、8回ほど繰り返しましょう。

※膝が曲がらないように注意する

まとめ

ジャンプ力を向上させるには、まず行わないといけないことが”力積”を向上させることです。力積というのは、「どれだけの時間、どのくらいの力を加えるか」という意味であり、ジャンプ動作でどのくらい力を加えることが出来るかが大事になってきます。また、ただ筋力を鍛えるだけでは、力積というのは向上しないので、最大筋力を高めることと、速い速度でのトレーニングが重要になってきます。

ジャンプ力向上のトレーニングはどれも負荷が高いものになっていますので、ウォーミングアップとクールダウンをしっかり行うようにしましょう!

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