ジャンプ力がないのは筋力不足が原因ではない。本当は○○

アスリート向け トレーニング

ジャンプというのは鉛直方向に高く飛ぶ垂直跳びや、水平方向に跳ぶ立ち幅跳びなどがあります。また、ジャンプというのはスポーツでもよく行われる重要動作であり、メジャーなスポーツではバスケットボール、バレーボール、サッカーなどがあります。このようなジャンプ動作ですが、どのようにしたら高く跳ぶことが可能になるのかと疑問を抱いている方もいると思います。よく足のトレーニングをして足の筋力を鍛えたらジャンプ力が向上すると思われがちですが、それだけではジャンプ力というものは向上しません。では、何をしたらいいのか。今回はジャンプ力が向上するメカニズムとそのトレーニングをご紹介させていただきます。

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当記事は以上の参考書から要約させていただいとります。

ジャンプ力が向上するメカニズム

ジャンプ力というのはどのように向上するのか。それは一言でいうのであれば「足のバネ能力を向上させる」必要があるのです

バネ能力とは

足のバネ能力というのは、アキレス腱の機能のことを言います。アキレス腱は素早く伸ばされると、素早く大きな力で縮もうとします。これはアキレス腱以外にもすべての筋と腱に共通することなのです。

例えば、前屈をしてもも裏の筋肉と腱を伸ばすとします。その時勢い良く伸ばすと勢いよく戻るのが分かると思います。この仕組みがアキレス腱にも当然あり、”アキレス腱が急に伸ばされると勢いよく縮む”これが足のバネ能力なのです。専門的用語では「ゴルジ腱反射」と言われます。下の図を見て整理しましょう。

上の図は少し高いところから着地した足の筋腱の様子です。着地前はアキレス腱が縮んでいて、かかとを持ち上げ、つま先が下へと傾いております。そして、着地の瞬間かかとが素早く地面に着き、アキレス腱が素早く伸ばされます。アキレス腱が素早く伸ばされると、今度はゴルジ腱反射が起き、アキレス腱は素早く縮もうとします。素早く縮むことにより、踵が大きな力で引き上げられ、ジャンプが行われるのです。この素早く縮もうとする力がジャンプ力向上にはとても重要となり、この力が向上すると高くジャンプすることが可能となるのです。

しかし、垂直飛びやスポーツにおいてのジャンプ動作は、上の図のように”高いところから着地して跳ぶ”このようなシーンはほとんど存在しないためアキレス腱は伸ばされないからバネ機能なんて関係ないのではないかと思うかもしれません。いいえ。そんなことありません。皆さんはジャンプをする時、無意識にアキレス腱を伸ばしているのです。下の図を見てみましょう。

そうなんです。皆さん高く跳ぼうとするとき、膝を曲げますよね。実はこの時にアキレス腱は伸ばされているのです。膝を曲げて素早くアキレス腱を伸ばしてゴルジ腱反射を起こしているのです。ここでアキレス腱の長さが元の長さに戻る力が大きくなったら、足をより大きな力で引き上げることが可能なので高く跳べるようになります。

以上のことからジャンプ力を向上させるには、アキレス腱のばね機能を向上させることが重要であることが分かりました。続いてアキレス腱バネ能力向上トレーニングを3選紹介させていただきます。

ジャンプ力向上トレーニング3選!

<リバウンドジャンプ>

➀腰幅程度に足を開き立つ

②膝は曲げず、つま先だけを動かして跳ぶ

③着地と同時に素早く高く上に飛ぶ

・連続で15回×3セット 1分半休憩

<カウンタームーブメントジャンプ>

➀肩幅程度に足を開き立つ

②素早く腰を落としその反動で上に高く跳ぶ

・膝が足先より前に出ないようにする

・連続で素早く15回×3セット 1分半休憩

<デプスジャンプ>

➀ボックスの上で肩幅程度足を開き立つ

②ボックスから降り、着地した瞬間高く跳ぶ

・着地時膝が足先より前に出ず、上体は起こす

・ボックスの高さは15㎝ほどから始める

・10回3セット 休憩30秒ほど

これらのトレーニング「プライオメトリックストレーニング」といわれるものであり、自分が思っている以上に足が疲れ、そして当然負荷も大きいです。なので怪我をしないためにも、入念にアップを行い、足の深部体温を向上させしっかり伸ばしてから行うようにしましょう。また、長距離のランニングや下半身の筋トレーニングと同じ日に行ってしまうと怪我のリスクが上がってしまうので可能であれば別日に行いましょう。終わった後はしっかりクールダウンも行いましょう。

まとめ

・ジャンプ力を向上させるにはバネ能力が必要

・バネ能力というのはアキレス腱の機能である

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