スポーツのパフォーマンスを向上させたい時や、姿勢を整えたい、お腹を凹ますトレーニングの際、「体幹トレーニング」を行われることが多いと思います。しかし、体幹を鍛えたら、どのようなメリットがあるのか知っている方は少ないと思います。「体の軸がぶれなくなる」「姿勢が真っすぐになる」「お腹を凹ませられる」このように、ぼんやりと想像できる方はいると思いますがそもそも、体の軸というのは何なのでしょうか。背骨?筋肉?またまた人の中に得体のしれない棒みたいなものが存在するのでしょうか。どういうメカニズムで姿勢が真っすぐになるのか。体幹トレーニングは腹筋をあまり使っている感じないのに、本当にお腹を凹ませることはできるのか。気になりますね。
この章では、体幹を鍛えると得られるメリットと、体幹を鍛えればこうなる!と言われているが本当は効果が出ないものを紹介させていただきます!解剖学を通して体幹のメカニズムから説明させていただきますので、この記事を読み終わったら体幹の知識は完璧になっているでしょう。
では、早速解説させていただきます!
この記事を書いた人

モリキン
<資格・履歴>
・NSCA CPT 大森康暉
サッカー・野球・テニス・ラグビーの現場でトレーナー活動
スポーツジム パーソナルトレーナー
NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識
エッセンシャルキネシオロジー
スクワット肢位における足圧中心位置の違いが下肢筋の活動筋に及ぼす影響
以上の参考書・論文を参考にしております。
体の軸というのは何なのか
そもそも体の軸とは何を示すのか。それは「体の向き」のことを表します。
スポーツで例えるとわかりやすいのですが、例えば、サッカーなどで人との接触プレーがあったとします。その時、自分の態勢が崩されないように耐えようとする。この際、自分の真っすぐな姿勢・体の向きが体の軸なのです。

そして、よく相手選手とぶつかり、押されたりした時、そのニュートラルな姿勢が崩されると、「体の軸がぶれる」と言いったりします。
また、普段の姿勢でも同じようなことが言えます。健常者の立位の姿勢を、「軸が真っすぐ」と表すなら、猫背や反り腰というのは軸がぶれているということになります。
体の軸というのは、その動作や状態においての模範となる体の向きということになります。
体幹を鍛えると得られるメリット

体幹を鍛えると、以下のメリットがあります。
・体の軸がぶれにくくなる
・姿勢が整えられる
この二つが主なメリットになります。
<体の軸がぶれにくくなる>
本来、皆さんが一般的に行われている筋トレは、コンセントリックトレーニングと言われ、筋肉を収縮させながら物を持ち上げたりします(ウエイトトレーニングなど)。体幹トレーニングはアイソメトリックトレーニングと言われるものであり、筋肉を固定する能力を向上させるトレーニングです。例えば、片足立ちを行うとします。バランスが保てるように下肢のさまざまな部位に力を入れると思います。この際、普通の筋トレとは違い、力は入れるけど何か持ち上げたり、動かしたりはしないですよね。


このように、体幹トレーニングというのは、アイソメトリックトレーニングというものであり、筋肉を固定させるものになります。そして、筋肉が固定されるということは、体も固定されます。つまり、体の軸がぶれにくくなるということに繋がるのです。
<姿勢が整えられる>
こちらも体の軸がぶれにくくなるメカニズムと同じです。
正しい姿勢を整えるためには、その姿勢を固定させるための筋肉が必要です。例えば猫背の人であれば、背中の脊柱起立筋を固定させる筋肉が必要になります。また、反り腰の人であれば、腹筋を固定させる筋肉が必要。このようになっております。
以上のことから、体幹トレーニングは、「体の軸をぶらさなくする」「姿勢を整える」効果があるのです。
体幹を鍛えても本当は効果がないもの

体幹トレーニングを行ってもこれだけは効果がないというものがあります。
それはお腹を凹ませるということです。
お腹を凹ませるには、腹筋を鍛えて腹筋の筋肥大とお腹の体脂肪除去が絶対条件となっております。この二つを効率よくこなすことが出来るのが、コンセントリックトレーニングになります。(筋肉を収縮し、物を持ち上げたりするトレーニング)
コンセントリックトレーニングは体の部位を動かすので、トレーニングの中でも消費カロリーの多いトレーニングになります。そのため、体脂肪の燃焼に最も効果的なトレーニングということが分かります。
しかし、体幹トレーニングのようなアイソメトリックトレーニングというのは体を動かさず、固定するので、消費カロリーが少ないです。なので、脂肪燃焼の効果は低く、お腹を凹ますには向いていないトレーニングということが分かります。
このようなことから、体幹トレーニングは消費カロリーが少ないのでお腹を凹ますことには向いていないということが分かります。
体幹トレーニングよりも効果の出るトレーニング
体幹トレーニングより効果的なものはスクワットです。
体幹トレーニングは体の軸をぶらさないことが目的です。そして、体の軸の要となっているのは骨盤です。骨盤を安定させることが、体の軸をぶらさないために必要なことなのです。
この骨盤がぶれてしまうと、あらゆる方向に状態が倒れてしまいます。なので、骨盤を固定させるもも前の筋肉「大腿四頭筋」もも裏の「ハムストリングス」を鍛える必要があります。
大腿四頭筋とハムストリングスをどちらも鍛えることが出来るのがスクワットになります。
※自重トレーニングのスクワットはハムストリングスを鍛えにくいので、おもりを持つことをお勧めします。

大腿四頭筋

ハムストリングス
この大腿四頭筋とハムストリングスを鍛えることで、骨盤は安定し、体の軸はぶれにくくなるのです。
つまり、体幹をより保持できることに繋がり、この両方を鍛えることが出来るスクワットは体幹トレーニングよりも効率的なトレーニングになっているのです。
まとめ
体幹トレーニングを行うことにより、「体の軸がぶれにくくなる」「姿勢が整えられる」という効果を得ることができます。しかし、体幹トレーニングは活動量が低いので、お腹を凹ませることなどのダイエット目的では効果が薄いのです。また、体の軸をぶらさないようにするためには、骨盤の安定性が求められます。骨盤の安定性を向上させるには、大腿直筋、ハムストリングスを鍛えること必要になります。なので、体幹トレーニング+下肢を鍛えるスクワットなどもしっかり行っていきましょう!
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