体幹トレーニングを行っていて「本当に効果があるのか」と思ったことはないですか?体幹トレーニングを行っていて実際に効果を実感することは少ないと思います。実感したことがある人はもともと体の使い方が上手いか、今回説明するような正しい体幹トレーニングを行えているのだと思います。私もたくさんのアスリートを見てきましたが、一般的に行われる体幹トレーニングだけを行っていて「この選手体幹すごいね」と思ったことは1度もありません。はっきり言うと、実際に一般的な体幹トレーニングを行うだけで体幹が強くなることはありません。では何をすれば体幹は強くなるのか。今回は体幹トレーニングが効果が出ない理由とどのようにトレーニングを行えば体幹トレーニングは効果が出るのかを解説していきます。
この記事を書いた人 モリキン

<資格・履歴>
・NSCA CPT(アメリカトレーナー資格)
・サッカー・ラグビー・野球・テニス・スポーツジムにてトレーナー活動
普段は論文と参考書に埋もれてます📚
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体幹とはなにか
一般的に体幹とは何を表すのか。主に2つあると私は考えます。
➀ 専門的には、本来体幹というのは「体幹部」ともいわれ、体の部位を示しています。体幹部というのは、身体から四肢を取り除いた部分のことを表します。

② 一般的には、体幹というのは体の軸をぶらさないことを表しています。体幹部を、動作中や他の選手との接触中に異常な方向にぶらさないようにするという意味で認識されているのだと思います。

このように専門的な意味と一般的な意味がある中で、今回は一般的なニュアンスの「パフォーマンス中に体の軸をぶらさない」に的を絞って解説していきます。
本当の意味で”体幹が強く”するには?
体幹とは体の軸をぶらさないために行うものですよね。何かにぶつかった時、電車の中で揺られる時、体の軸をぶらさないためには本当に筋肉だけを鍛えるだけでよいのでしょうか。
先に答えを述べると
体幹とは、状況に合わせて体を保持する能力です。つまり、筋肉があっても体の使い方がわっかていなければ意味がないということです。
体幹トレーニングは専門用語では「アイソメトリックトレーニング」と言われ、筋肉を固め体の軸を固定する筋肉を作るトレーニングです。体の軸というのは背骨から骨盤のことを表しています。なので、背骨から骨盤を固定する深部の筋肉、いわゆるインナーマッスルを鍛えているということになります。
下の図はインナーマッスルを鍛えて体をガチガチに固めることに長けている選手がいるとします。

このように体をガチガチに固めることが出来ても、押されたときに体がガチガチだと足は宙に浮いてしまいます。足が浮いてしまったらもちろん次の一歩もうまく出せなければ、球技であればロストボールをしてしまいます。
次の図はどうでしょうか。

押されたと同時に、体をうまく曲げ、押されても強い体に変形します。この姿勢だとさっきの体をガチガチに固めるより、押される力にこらえることが出来ます。しっかり体がこらえられるということは、次の一歩も容易に出しやすく、ロスとボールもしにくいということに繋がります。
体をガチガチに固めることが体幹の強化になるのではなく、また、体がうまく使えても、その体をキープする力がないと意味がありません。
つまり、鍛えた筋肉を瞬時にあらゆる場面で使いこなせることが体幹が強いということになります。
一般的な体幹トレーニングの効果

一般に見られる体幹トレーニングとはどういうものがありますか?
「プランク」「サイドプランク」「バックプランク」などのトレーニングは有名ですよね。これらはいわゆるインナーマッスルと言われる筋を鍛えています。背骨から骨盤を真っすぐに固定する能力向上を狙いに作っています。
これは、体幹を強化するうえで大事なトレーニングです。しかし、これだけではいけません。先ほど述べたように、体幹が強いというのは鍛えた筋肉をあらゆる場面で使いこなせることです。なので、筋肉を鍛えるという面では、しっかり行えています。これにプラスで鍛えた筋を使いこなせるためのトレーニングが必要になるのです。
体幹を本当に鍛えることが出来るトレーニング概論
体幹部を支える筋肉をあらゆる場面で使いこなせるためにはどうすればよいのか。それは体を固定しながら様々な部位を動かすトレーニングを行うことです。
<体を固定しながら行うトレーニング>
どのようなことを表しているのかというと、メジャーなのであれば前進するランジスクワットです。

ランジスクワットは上体(体幹部)を真っすぐにしながら、足を前に出し、股関節と膝関節が90°になるくらいまで深く曲げ、立位の状態に戻る。姿勢を保ったままこれを左右行いながら前進していくというトレーニングです。上体を支えるインナーマッスルは真っすぐに保ち、アウターマッスル(体の表面の筋、ランジでは下肢の筋肉を表す)を使い動作を行う=体を固定し、バランスを保ちながら様々な部位を動かすトレーニングになります。
このようなトレーニングのメリットというのは、サッカー選手のドリブルやラグビー選手のドリブル状況を想像していただければわかりやすいです。この2つの状況に共通することは、ゴールに全速で走り、相手選手の守備に負けず、体をこらえます。これも、ランジスクワットと同じで、体を真っすぐにし、バランスを保ちながら、下肢を動かしているのです。
つまり、ランジスクワットは体をキープしながら駆け抜ける動作に類似したトレーニングになり、その動作の体幹保持能力に繋がるということです。(専門用語では特異性の原理と言われる)
ランジに限らず、体を固定して動作を取り入れるトレーニングは他にもあるので、自分の行っている種目に類似したトレーニングを行うようにしましょう!
まとめ
体幹が本当に強いというのは、体をガチガチに固定する筋力ではなく、衝突などの体の軸がぶれる時に、瞬時に体を保持する姿勢にシフトでき、その姿勢をこらえられる筋力があることを”体幹が強い”という本当の意味です。そのためには、一般的な体幹トレーニング(プランクなど)だけを行うのではなく、体を固定しながらさまざまな動作を行うトレーニングを行うようにしましょう!
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