スポーツや学校の短距離走などに向けて足を速くしたいと思っている方や、現在思っている方、いると思います。そして、「短距離走当日、試合当日まで時間があまりない」「効率よく足を速くさせたい」という方も多いはず…。私も学生の頃は、短距離走がある1週間前にどうにか足が速くならないものかと思ったことがあります。「行動に移そうとするのが遅いんだよ」と何度自分を責めたかもわかりません。しかし、トレーナーとしてたくさん勉強をさせていただいてから数週間で足が速くなる方法が見つかってしまったんです。これを行えば、実際に誰でも足が速くなります。実際にたくさんの論文でも発表されているのです。その方法というのはジャンプ力を向上させることなのです。そこで、この章では実際にジャンプ力向上と疾走能力向上の関係性とそのトレーニングをご紹介させていただきます。少しでも足が速くなりたいという方におすすめです!
ジャンプ力と疾走能力の関係性

<ジャンプ力と疾走能力の関係性>
ジャンプと疾走動作というのは足の力を発揮するメカニズムが同じなので、ジャンプ力が向上すると、その分足も速くなるのです。
ジャンプ力というのは地面に力を加え、反作用で返ってきた力を利用して跳びます。そして、ランニングというのも同じで地面を蹴り、その反作用を利用して前に進んでいきます。

ということは、どちらも大きな力で地面を蹴ることができればその分、地面から大きな反作用を手に入れることができます。大きな反作用が手に入ることができれば、高く跳べることも可能であり、足も速くなります。
ですが地面を蹴る大きな力を得るために筋トレをすればいいわけではありません。今回は短時間で結果を出すということなので筋トレを行う余裕は正直ありません。なので、筋肉ではなく、ふくらはぎのバネ機能を鍛えていきます。
<ふくらはぎのバネ機能>
ふくらはぎ(アキレス腱)は素早く伸ばすと大きな力を発揮する性質があります。
輪ゴムを想像してみてください。輪ゴムは伸ばすと勢いよく戻ろうとします。この性質と同じでアキレス腱は素早く伸ばされると素早く戻ろうとする。そうすることにより大きな力が発揮できるというのになります。

この機能というのはトレーニングを積み重ねることにより、力の発揮能力は向上していくのです。
=地面を蹴る力が大きくなり、大きな反作用を受けることができるのです。
以上のことから、地面を蹴る能力を向上させることが疾走能力やジャンプ力の向上に繋がり、そのためにはふくらはぎ(アキレス腱)のバネ能力を鍛える必要があるのです。
ジャンプ力を疾走能力に活かす方法

ジャンプと疾走速度というのは、地面を大きく蹴ることによりどちらも向上するという基本的なことが分かりました。
しかし、「ジャンプ力だけが向上する」このようにはしたくありません。確かに地面を蹴る能力は向上したけれど、走ることに活かせられなければもともこうもありません。このジャンプ力の向上を疾走速度向上に結び付けるにはどうしたらいいのか。
それはジャンプトレーニングの際の膝の角度をより疾走動作に近づけることです。
トレーニングというのはそのトレーニング状況に適応します。
例えば、ジャンプトレーニングの際、膝を30°ほどしか曲げず行っていくと、膝を30°曲げた状態でのジャンプ力が向上します。しかし、膝を90°曲げたときのジャンプ力は向上しにくいのです。
<膝の角度を疾走動作に合わせる>

写真のように、疾走動作というのは距離が延びるほど膝関節の角度は小さくなっていきます。この各局面に合わせた膝の角度をジャンプトレーニングに組み込まなければならないのです。
例えば
最初の30mの加速場面において足を速くしたいのであれば膝の角度を60°~90°にする
30m以降、完全に状態が起き上がり、最高速度が維持される場面において足を速くさせたい場合は膝の角度を10°~30°にする
このように使い分ける必要があるのです。自分が速度を向上させたい疾走場面を明確にし、それに合わせて膝の角度を調節することにより、ジャンプ力の向上と疾走速度の向上が結びつくのです。

ジャンプ力&疾走能力向上トレーニング3選
上の項目でも説明せていただきましたが、基本のジャンプトレーニングの膝の角度は決まっていますが、自身で膝の角度を疾走動作に近づけるようにしましょう。

<カウンタームーブメントジャンプ>
➀肩幅程度に足を開き、手を頭の後ろで組む
②膝を素早く曲げ、素早く伸ばす(全力で高く跳ぶ)
③着地時間は短く、10回連続で跳ぶ
※着地時、膝がつま先より前に出ないように気をつける

<リバウンドジャンプ>
➀腰幅程度に足を開く
②極力膝を曲げないように、足首だけ使い跳ぶ
③着地時間は短く、高く連続で10回跳ぶ

<シングルレッグホップ>
➀片足立ちになる
②素早く膝を曲げ、素早く膝を伸ばす
③着地時間を短く、高く連続で10回跳ぶ
※着地時、膝がつま先より前に出ないように気をつける
まとめ
疾走能力を高めるには、ジャンプ力を高める必要があり、ジャンプ力と疾走能力を結びつけるには、ジャンプトレーニングの際により膝の角度を疾走動作に合わせて調節することが必要なのです。
今回紹介させていただいたジャンプトレーニングは負荷が大きいので、行う前はしっかり準備運動とウォーミングアップを行うようにしましょう。
また、他にも足が速くなるトレーニングやメカニズムの記事を掲載していますので、もし、よろしければ下から他の記事もチェックしてみてください!
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