保育園・幼稚園・小学生・中学生時代に行っていたスポーツが将来大きな結果を残せたり、有名な選手またはプロ選手になれたらいいなと思ったこと1度はあると思います。また、小中学生の夢を持つアスリートがこの記事を読んでいることもあるでしょう。他にも、自分の息子・娘を今行わせているスポーツにおいて将来結果を残させてあげたいとお悩みの親御さんもいることでしょう。そんな中、「子供に筋トレをさせると身長が止まる」といった噂が流れていたり、実際どんなトレーニングを行わさせたらいいのかとわからないことが多いと思います。今回は幼少期~学童期(4~16歳を目安)においてどのようなトレーニングを行えばいいのかを解説させていただきます。
当記事は
武井壮「オトナの育て方」
東條仁美「スタディ応用栄養学」
鈴木一成功 「断層的な教材による走り方に着目した短距離走の授業」
を参考に作成させていただいております。
各年齢別トレーニング処方
4~16歳の中で各年齢別に何を行っていけばいいのか分析するにあたって「スキャモンの発育曲線」というのを使っていきます。

上のグラフがスキャモンの発育曲線というものであり、それぞれの年齢において何の成長が著しいか示したものになっております。
これをまとめると
- 4~8歳神経系の発達が著しい
- 8~16歳は一般型(筋肉や臓器、骨など)が著しいということが分かります。
4~8歳に着目してみると神経系のトレーニングを行うことにより、著しく成果が出やすいということです。逆に、4~8歳において一般型の成長は停滞しています。ここで筋トレなどを行っても成長は8~16歳に比べて見られないということが分かります。以上のことから年齢別にトレーニングを行うことで効率よくその選手のステータスが作られていくということが分かります。逆に、成長が著しい時期を逃してしまうと選手の成長が効率よく行われないということも言えます。
4~8歳の神経系トレーニング
先ほどのテーマで4~8歳において「神経系」のトレーニングを行うべきだということが分かりました。では、神経系のトレーニングとはいったい何なのかを初めにご説明させていただきます。

神経系とは…電気回路と同じような仕組みになっており、脳と脊柱が電源と同じ役割をしています。脳と脊柱から電気信号を送り、体感部、上肢や下肢へ命令の電気信号が伝わっていき、脳が指令した動作を行うのです。この電気回路に仕組みを「神経系」と思っていただいたら良いと思います。
例えば、脳が「右手で物を握れ」と命令をしたらその信号は脳から右手の筋肉に信号を送り、筋肉が刺激され、右手で物を握るというタスクが完了されるのです。この電気信号の一連の流れが神経系というものなのです。
ではこの神経系が良くなるとどうなるのか。それは、反射神経や瞬発力が向上します。なので瞬発力を向上させる「スプリントトレーニング」であったり、「ジャンプトレーニング」を行うべきなのです。
そして、他にも重要なことがあり、神経系を鍛えることにより、体が思った通りに動かせるようになります。例えば、武井壮さんの腕を水平に上げるトレーニングがあります。これは自分が思うように水平に腕を広げるというものです。大半の人は自分が思っている以上に腕が上がっていたり下がっていたりしています。この神経系のレベルが高いと腕を地面と平行に上げれるようになります。要するに何が言いたいかというと、この4~8歳は体を思うように動かせるようになれる時期であり、この時期にそのスポーツにおけるフォームを確立させていくべきということです。この神経系が著しく成長する時期にフォームを確立させておくことにより、その体の動かし方に早く慣れて、変な癖などがなくなるということです。小学生からスポーツを始めるのと、中学生から同じスポーツを始めるのとでは、小学生から始める方が神経系に成長が著しいので断然フォームの習得が速いのです。しかし、小学生のうちに、変な癖のあるフォームにしてしまうとそれが定着しやすいのも事実です。これは、指導者の腕にかかっています。
<まとめ>
4~8歳は神経系の成長が速いので瞬発力や反射神経を向上させる「スプリントトレーニング」や正しいフォームを確立させる時期ということなのです。
※スプリントトレーニングを知りたい方は、このページのホームに飛んでいただき、アーカイブに「スプリントトレーニング」の記事が載っていますのでそちらをご覧ください!
8~16歳のトレーニング
この時期になると、筋肉や骨といった部分の成長が著しくなります。どこの筋肉を鍛えればいいのかというのはそのスポーツによって変わってくることなので、一概には言えません。なので、8~16歳のトレーニングに関しては、筋トレや体に関することの注意点をいくつかお伝えします。
<筋トレによって身長が止まるのは嘘>
筋トレを行い筋肉をつけても身長が止まったというデータは一切ありません。なので、安心して子供の頃から筋トレは行えます。しかし、かなり高負荷なトレーニングを行ってしまうと、骨を傷つけてしまう可能性があるため、おもりやマシーンなどは高校に入るまでは控えて、腕立てやスクワットなどの自重トレーニングを行うようにしましょう。
<食事をしっかり摂取する>
近年、少食の子供たちが増えてきています。たくさん動いて、トレーニングを行うと1日の消費カロリーが大きくなります。そこで、しっかりご飯を食べないと痩せていくのはもちろん筋肉も減少し、怪我に繋がります。他にも、新体操や長距離陸上選手において低体重が求められる競技もあると思います。しかし、この時期から食事制限をしてしまうと、骨粗鬆症や摂食障害などに繋がり、選手生命に関わってきます。これだけは言えるのは、いくら監督が低体重にしろと言っても体脂肪率が15%以下にはならないようにしましょう。
<カルシウムや鉄もしっかり摂取する>
この時期からカルシウムを摂取することにより骨粗鬆症の予防に繋がります(特に女性アスリート)また、貧血などにならないためにもしっかり鉄分のあるものも食べましょう。サプリメントは取らなくても大丈夫です。
まとめ
・各年齢に合わせてトレーニングを処方した方が効率が良い
・各年齢の著しい成長分野を逃すとあとあと手間がかかる
・食事もしっかりとる(カルシウムや鉄なども)
コメント