腰痛だから腹筋をやる!のは逆に危険!?腰痛が消えない理由と改善法

筋トレ

”腰痛”という定義幅広く扱われており、ほとんどの原因は姿勢の悪さからきています。正しい姿勢をしていたら本来使わない腰回りの筋肉を、姿勢が悪くなると、その腰回りの筋活動が誘発されて結果的に炎症を起こしてしまいます。そのような理由から、姿勢を正すために”腹筋トレーニング”を処方するトレーナーや、実際に腹筋を行う人をたくさん見てきました。が、腹筋トレーニング自体はあまり効果はなく、また、やり方を間違えてしまうと、より悪化させてしまうことをご存じでしょうか。そんな怖い腰痛の落とし穴と正しいトレーニング方法をこの章では解説します。

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初めに:腰痛が起きる姿勢

腰痛が起きてしまう理由は姿勢の悪さが原因だと書きましたが、どのような姿勢が腰痛を引き起こしてしまうのでしょうか。

これはたくさんあり、一概にこれとは断言できません。しかし、私がこれまでパーソナルトレーニングを行ってきて腰痛持ちの方を何人も見てきましたが、ほとんどの人は反り腰が原因で腰痛を起こしていました。

反り腰

反り腰とは、このように腰の背骨(腰椎)が過度に前へ倒れている状態のことを表しています。

この腰椎の過度な傾きによって痛みが引き起こされてしまう原因は、腰椎についている筋肉”多裂筋””腸腰筋”が関係しています。

上の写真のように反り腰の方の腰椎を詳しく見てみると、腸腰筋という筋肉が硬くなってしまい、腰椎を前に引っ張っています。この状態のだけだと、背骨は前に倒れ、上半身が前のめりの姿勢になります。これだと普通に立つのは困難になります。そこで、上半身が前に倒れ込まないように、腰椎の裏側の筋肉”多裂筋”が後ろに引っ張って上半身を前に行かないようにしてくれます。大体、このような姿勢になってしまう人は、上半身が下半身より後ろに位置しているか、体が弓なりになっているので鏡で横からチェックしてみましょう。

   ←<反り腰の方の姿勢>

   上半身が後ろにいき、弓なりのような姿勢になる。

←<正しい姿勢>

さて、ここで問題なのが、姿勢を維持するために常に多裂筋が働いているということです。1日筋肉に力が入っている状態…。想像するだけで疲れますね。筋肉がほとんど休憩なしに働くということは、筋肉内の老廃物が溜まりに溜まり、神経を刺激して炎症を起こしてしまうのです。それが腰痛の原因だと思われます。

腰痛の落とし穴:腹筋トレを推奨しない訳

腰が沿っているので、腰を丸める作用がある腹筋を鍛えようとしがちですが、私はあまり推奨しません。なぜなら、反ってしまっている腰椎を実際に支えているのは、腹筋ではないからです。

また、腹筋は腰を丸める作用があるように見えますが、実は骨盤の前方を持ち上げる作用があるだけなのです。

骨盤の前方を持ち上げられたからと言って腰椎の反り具合が改善されるというわけではありません。もちろん、骨盤が前に倒れているのが原因で、それを修正しようとして腰椎が反ってしまう方はいると思います。しかし、骨盤は前に倒れていないけど腰椎が反ってしまっている方もいれば、実際に骨盤が前に倒れている人でも、骨盤の前方を持ち上げたからと言って腰椎の反りを改善できるかと言ったら、不可能でしょう。つまり、腹筋だけ鍛えるだけではなく、他の”どこか”も修正しないといけにということです。

腰痛改善:”腹筋”ではなく”腹筋群”を鍛える

腹筋を鍛えるだけでは、腰痛が改善されないのであれば、どこを鍛えたらよいのでしょうか。これは多くのトレーナーやセラピストによって意見は異なると思いますが、私の見解は腹筋群も鍛える必要があると考えます。

<腹筋>

正式の名は腹直筋。肋骨の下から骨盤の前方にかけて存在します。

作用 骨盤前方の持ち上げ 背骨(胸椎あたり)を丸める

<腹筋群>

腹直筋以外に外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋といった筋肉が存在します。これらは背骨、骨盤、肋骨を覆うようについており、コルセットの役割をすることからコルセット筋とも言われる。

上の腹筋群の説明を見てみると、腹筋だけではなく、腹筋群を鍛えた方が背骨(腰椎)を支えてくれそうな気がします。実際にそうなのです。腹筋群は腰椎を覆っている胸腰筋膜という靭帯に付着しています。腹筋群に力が入ると、胸腰筋膜に力が伝わり、腰椎を正しい位置に固定してくれるのです。

もちろん腹筋を鍛えて、骨盤の傾きを改善することも1つの手ですが、それにプラスで腹筋群を鍛えないと腰痛は治りづらいということです。骨盤の傾きを治すだけでなく、腹筋群を鍛えて背骨を安定させるようにしましょう。

腰痛の落とし穴:やってはいけない腹筋トレ

良く行われる腹筋トレーニングですが、やり方を間違えてしまうと腰椎の反りを促進させてしまいます。そして、大半の方がやり方を間違えてしまっているのが現状なのです。

腹筋トレーニングで、クランチや足上げ腹筋などで間違ったやり方を見つけることが出来ます。

<クランチ>

下半身を固定して上半身を持ち上げる

トレーニング

<足上げ腹筋>

上半身を固定して足を上げる

トレーニング

上の図のように、これらのトレーニングはお腹に力を入れて、足を前に伸ばし地面に着かないように踏ん張ったり、上半身が地面に着かないように踏ん張ることがあります。

この際、腰椎に付着している腸腰筋にはかなり力が入っており、腰椎を引っ張てしまいます。それが原因で反りを促進してしまうのです。

つまり、このようなメジャーな腹筋トレーニングは、腰椎を反らしてしまう効果があり、反り腰や腰痛予防で行っていることが逆に悪化させてしまっているのです。

では、腹筋トレーニングを行ってはいけないのかというと、決してそういうわけではありません。正しいやり方を行えば、反り腰を促進せず鍛えることが出来ます。次に正しい腹筋トレーニングと、反り腰を治すための腹筋群のトレーニングを紹介していきます。

腰痛改善:腹筋群の鍛え方

ここでは反り腰にならないための正しい腹筋群のトレーニングを紹介します。実際にリハビリの現場で行われたり、私もお客様に処方するトレーニングなので実際に試してみてください。

<ドローイン>  レベル☆

➀立位の状態で息を吸いお腹を膨らまします。

②お腹を凹ましながら息を吐きます

③お腹の空気が完全になくなるまで吐き続けましょう。(➀~③を繰り返す)

<風船トレーニング> レベル☆☆~☆☆☆☆

➀立位の状態で風船を膨らませます。

② ➀が出来たら次は座って行います

③ ➀②が出来たらプランクの姿勢で行いましょう! (動画参照)

<クランチ> レベル☆☆

➀足を膝を90°に曲げて仰向けになります。

②片足を持ち上げます。

③その状態で、上半身が持ち上げるまで上半身を起こしましょう。

足上げ腹筋> レベル☆☆☆

➀足を伸ばして仰向けになります

②背中の隙間を埋めるようにお腹に力を入れます

③隙間を埋めたまま足を90度まで持ち上げます。

トレーニングの詳しいやり方を動画にまとめました!写真や文字だけだと分かりづらい部分もあるので動画を見ながら行いましょう!

まとめ

腰痛を起こしてしまう最大の理由は反り腰が原因です。反り腰を治すには、腹筋を鍛えがちですが、ただ腹筋を鍛えても効果はなく、反り腰を促進してしまうリスクもあります。反り腰を改善するには、腹筋だけでなく、腹横筋、腹斜筋といった腹筋群を鍛える必要があります。また、腹筋を鍛える際も、腰を反らせないように工夫をしなければならないのです。

この記事はこの人が書きました モリキン

<資格・履歴>

・NSCA CPT(アメリカトレーナー資格)

・サッカー・ラグビー・野球・テニス・スポーツジムにてトレーナー活動

・普段は論文と参考書に埋もれてます📚

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