運動部に所属している選手で「これ以上上手くならないから部活をやめたい」「試合に全然勝てないからもうやりたくない」「監督が怖いからやめたい」と思っている方が、この記事を読んでくれているのだと思います。スポーツというのはよく言えば熱中することができ、自分を成長させてくれるものでありますが、厳しく言うと「無情」です。いくら努力をしても報われないことがほとんどの世界です。その中の努力が報われない人のほとんどは”ただがむしゃらに努力を行っている人たちです。
今回は、専門的な分野から少し離れて「正しい努力の行い方」について解説します。私自身、選手としてうまくいかず、夢をあきらめた身です。しかし、トレーニング指導者という立場になってから「もっとこのトレーニングをしてたらよかったな」と思います。正しいトレーニングのやり方を理解したうえで、「正しい努力のやり方」を理解することが出来るようになりました。そんな話を皆様にお届けします。
この記事を書いた人 モリキン

<資格・履歴>
・NSCA CPT(アメリカトレーナー資格)
・サッカー・ラグビー・野球・テニス・スポーツジムにてトレーナー活動
普段は論文と参考書に埋もれてます📚
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一般的に行われる”走り込み”を行うメリットは?

自主トレーニングと言えば「ランニング」。ランニングをしている選手はかなり多いです。何でランニングを行っているのか聞くと「体力をつけたいから」「足腰を鍛えたいから」という返答が返ってきます。
では、サッカーに置き換えて考えてみましょう。
サッカーは、1試合に合計2.5㎞全力で全力ダッシュを行っていると言われています。そして、ボールを保持するときや、ボールを奪う時、シュートを打つときには大きな筋力が求められるようになってきます。確かに、これらのようなパフォーマンスを維持するために体力をつけることはあながち間違いではありません。でもその他にも、ダッシュ能力をより上げたり、素早い方向変換、体をこらえるために、下肢の筋力を強化したりする必要があるのです。確かに、自分が本当に体力がないのであればランニングを行うこともありです。しかし、かなり走り込みをやっている人は他にも鍛えないといけない体力的要因はたくさんあるということです。また、長距離ランニングを行っていると、筋肉は付きづらくなります。=ランニングはメリットだけではないということです。
体力を向上させるために本当に長距離ランニングが効果的?

さて、本当に体力が低い選手がランニングをすることは本人にとって有益なのでしょうか。
答えはNOです。
まず、体力が低いというのはどういう状態のことを表しているのか。足が疲れてしまって動かなくなってしまうのか、それとも、心肺機能の面で息が切れてしまい、パフォーマンスを続けることが困難になってしまうのか。また、間欠的な運動が苦手なのか。このように体力がないというのは様々な意味でとらえることが出来ます。長時間続ける運動においてもっと自分の動きを速くするために、心肺機能を向上させたいのであれば、長距離ランニングは効果的ですが、サッカーやバスケといった球技系の種目はずっと走ることはないですよね。球技系は単発的な速い動作と遅い動作の繰り返しで構成されていることが多いです。この時に重要になってくることは、ゆっくりの動きにおいての心肺機能を向上させるのではなく、単発的な速い動作をいかに低下させずに発揮を繰り返すかが大事になってきます。この時大事になってくるのは、長距離ランニングではなく、インターバルトレーニングが大事になってきます。
このように、体力を上げるにしてもどういうトレーニングが必要なのかは人それぞれ異なってきます。先ほど話した、自分の鍛えたい体力的要因を見つけてトレーニングをしたとしても、それが適切でないトレーニングであることは多いので注意しましょう。
本当にやるべきことが見えてくる

ここまでランニングを行うことを徹底的に批判してきましたが、何を言いたいかまとめると、
自分に足りない体力的要因(筋肉、持久力、素早い動作、フットワークなど)を明確に理解し、理解したうえで、その向上させたい体力的要因を本当に鍛えることが出来るトレーニングを正しく行うべきなのです。
例えば
自主練で長距離ランニングを行っているサッカー選手で、本当は足腰を鍛えて速い動きを行ったり、ボールをキープしたいのであれば、ランニングを行うのではなく、バーベルを担いだスクワットや、スプリントやアジリティトレーニングを行うべきなのです。
自分が何を行えばよいかわからない場合は、私もアスリートのそれぞれの課題に適したトレーニングを提供しているので参考にしてみてください!
最後に選手の皆様に向けて
河森直紀( S&Cコーチ)様のブログより
「努力すれば報われる」という考えで、ただガムシャラにトレーニングをやることが得意なアスリートは多いです。
そこから一歩進んで、「適切な努力とは何ぞや?」というところを突き詰めて考えたうえで、適切な努力をすることができるアスリートを目指しましょう。
この方は日本でかなり有名なトレーニング指導者です。そして、この言葉は私もとても共感します。ただやってもゴールにはたどり着けません。科学的に根拠のあるトレーニングを行い、確実に夢に近づくように”正しい努力”をしていきましょう!
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