「長距離走のタイムを早くしたい」「マラソンが得意になりたい」または「体力をつけたい」「高パフォーマンスを常に維持させたい」
運動習慣が多い方から運動習慣が少ない方まで、長距離ランニングや長時間の運動に共通する「体力を向上させたい」というお悩みはよくあると思います。
「体力」つまり、高い運動量を長時間維持するためには何を行えばよいのでしょうか?
長時間の運動に必要な体力をつけるにはVO2MAXと言われる自分の最大酸素消費量の数値と乳酸作業閾値というものを向上させなければなりません。
名前だけ聞くと難しいと思いますので、この章では高い運動量を長時間維持する方法、一般的に言われる「体力」を向上させるためのメッソドを詳しく解説させていただきます!
今回紹介する体力向上に必要な要点を抑えてしまえば、誰でも体力は向上します!
体力の向上についてたくさん発表されてきた論文や文献を要約したものになりますので、体力向上についてお悩みの方は読んでみてください!
体力向上ポイント➀ VO2MAXを向上させる
体力を向上させるのための絶対条件としてVO2MAXを向上させなければなりません。
VO2MAXとは、その人が最大限消費できる酸素量のことです。人は酸素を肺に取り込み、血液によってさまざまな臓器に酸素を運びます。そして、血液は各臓器からは酸素と引き換えに二酸化炭素を受け取り、肺へ二酸化炭素を運びます。これが一連の呼吸と血液の循環になります。

そして、運動量が増加すると、その分各臓器(特に筋肉)の酸素需要量が高くなります。そうすることにより、運動量が増加すると呼吸頻度と1回の呼吸に対する酸素取り込み量が増加するのです。運動をすると息が荒くなるというのはそいうことです。
この運動中に各臓器が必要とする酸素量がVO2と言われ、その人の臓器が最大限利用できる最大酸素消費量をVO2MAXになるのです。

このVO2MAXを向上をさせることにより、高度の運動にも追い付いて各臓器に酸素を供給することができます。また、VO2MAXを向上させると普段よりも速いペースで走れたり、長時間運動を続けることが可能です。
体力向上ポイント② 乳酸作業閾値を向上させる
長時間運動を続ける条件としてもう一つは乳酸作業域地閾値を向上させることです。
人は普段の安静時の生活から、筋トレやスプリントといった爆発的な高強度運動まで体内で生産されるエネルギーを用いて運動が行われています。
このエネルギーを生産するシステムは3種類あり、
自分の脂肪を分解して供給する「クレブス回路」、体内の糖を利用する「解糖系」、人が元から備え持っているクレアチンを利用する「ホスファゲン機構」
この3つからなります。
これらのエネルギー生産システムは運動強度により使われる割合が変わります。

上の図のように運動強度に依存するエネルギー生産システムですが、解糖系が使われる割合が大きくなる運動強度が乳酸作業域地閾値と言われるものです。解糖系の使われる割合が多くなると2分ほどしかその強度で運動を続けることしかできません。これは2分で体内の糖質が枯渇してしまうことが原因です。
高強度の運動を長く続けられないのはこのようなことが原因なのです。しかし、自分の脂肪を分解するクレブス回路では長時間運動を続けることが可能です。長時間の運動はこのクレブス回路を使わなければならないのです。
そして、乳酸作業域地閾値の値を向上させるとどうでしょう。いつもは時速10㎞程度の運動強度でエネルギー供給にて解糖系の割合が高くなり、長時間続かないものが、乳酸作業域地閾値が向上することにより時速10㎞の運動強度を脂肪分解のクレブス回路でエネルギーが供給することができ、長時間の運動が続けられるということです。

つまり、乳酸作業域地閾値が向上することにより、運動に対する相対的強度が下がるということです。
=長時間運動を続けることが出来ます。
ここまで少し難し言葉が出てきて難しかったと思います。お疲れ様です!あと少しなので余力がある方頑張っていきましょう!
体力向上ポイント③ 筋肉内の糖質を高める
長時間運動を続けるために最後の重要条件として筋肉内の糖質を高めることが必要になります。
長時間の運動を続けるには脂肪を分解するクレブス回路を利用することが大事であるということを解説しました。しかし、エネルギー供給の割合はクレブス回路の方が多いですが、解糖系も使われているのです。なので解糖系のエネルギーも消費されることになり、長時間運動が続くと解糖系に必要な体内にある糖質が枯渇してしまうのです。この体内にある糖質というのは主に筋肉にある糖質、筋グリコーゲンと言われるものになります。この筋グリコーゲンが枯渇してしまうと体は重くなり思うように動かせなくなってしまうのです。
なので、運動前、または前日の食事に気を付けて筋グリコーゲンを蓄えておくことにより、筋グリコーゲン量が増え、枯渇しにくくなり、長時間運動を続けることが可能になります。

体力向上トレーニング3選!

VO2MAX、乳酸作業閾値、筋グリコーゲンの数値を高めるトレーニングを紹介させていただきます!
<VO2MAX向上トレーニング ーインターバルトレーニングー>
➀5分間速度を維持できる最大スピードで、5分走ります。
②その後3分歩いて休憩します。
これを4~6セットほど行いましょう。
<乳酸作業域地閾値向上トレーニング -ロングディスタンストレーニングー>
➀60~90分ほど速度を維持できる速さで60~90分走ります。
・これは1セット行い、負荷が大きいので最大でも週2回までに抑えましょう。
<筋グリコーゲン増量 -グリコーゲンローディング->
➀試合当日3日前から高炭水化物の食事を増やす。
・練習に照準を合わせて行ってしまうのは厳しいと思いますので、大事な試合などの3日前に行いましょう。
まとめ
体力を向上させるにはVO2MAX、乳酸作業域地の向上、筋グリコーゲンを蓄えることが必要となっています。これらをそれぞれを特異的に伸ばしていくことが長時間高強度の運動を続けることが可能となっていきますので、無理せず自分のペースでトレーニングを行っていきましょう。また、トレーニングを行いすぎたり、筋トレと同時進行してしまうとオーバートレーニングにより怪我をしてしまう可能性があるのでしっかりと休憩をはさんで行いましょう!
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